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自民党と日本維新の会が、第3号被保険者制度の見直しに向けて動き出した。共働き世帯が主流となる中、単身者や共働き世帯との不公平の是正は避けて通れない。ただ、問われるのは「対象を狭める」という方向性の中身だ。制度自体をどう扱うのか、就業調整をどう防ぐのか。主婦年金改革の核心を考える。(昭和女子大学特命教授 八代尚宏)
主婦年金改革が骨太方針へ浮上も
本来は国民会議で議論すべき
自民党と日本維新の会は、社会保障改革を巡る4月13日の社会保障国民会議の実務者協議で、会社員の扶養に入る主婦らが保険料を自ら納めずに基礎年金を受け取る「第3号被保険者制度(いわゆる主婦年金)」について、対象者を狭めていく方向で一致したと報じられた。
第3号被保険者は2024年度末時点で約641万人に上る。今後は実務者協議で詳細を詰め、政府がまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に反映される見通しだ。
この問題は、共働き世帯が主流となった今日、単身者や共働き世帯との不公平を是正する必要性がかねて指摘されてきた。他方で、すでに制度の恩恵を受けている世帯の手取り減少への懸念も強く、自民党内には慎重論が根強かった。
本来、この論点は24年の年金制度改革における主要課題の一つだったはずである。ところが、これを審議した年金部会では実質的な議論がほとんど行われず、先送りされた。
現在は自民・維新の協議の場で検討されているが、こうした制度の根幹に関わる課題こそ、本来は社会保障国民会議のような枠組みで幅広く議論されるべきだろう。にもかかわらず、現時点では十分な国民的議論の俎上(そじょう)に載っているとはいい難い。
次ページでは、第3号被保険者制度の改革に当たり、着目すべき論点を整理したい。







