終身雇用の崩壊で、大企業でも定年まで安泰とはいえなくなった。これからは、組織に依存せず、自ら主体的にキャリアをつくっていくことが重要だ。企業に頼り切りではいられない中、ビジネスパーソンは「稼ぎ方」をどう考えるべきなのだろうか。法政大学キャリアデザイン学部教授・田中研之輔氏の新刊『今すぐ転職を考えていない人のための キャリア戦略』から、一部抜粋・再編集して解説する。
これからの時代は
「稼ぎ抜く」生き方が重要だ
性別や年齢も関係ありません。精神的に、身体的に、そして、経済的にも良好な状態で、それぞれの生をまっとうするために、私たちは稼ぎぬかなければなりません。
新型コロナウイルス感染症とそのまん延防止措置の影響で経済的な損害を被った2020年は、忘れられない1年となりましたが、Zoomで続けていたゼミで、ゼミ生たちからこんな悩みが寄せられました。
「居酒屋でのアルバイトがなくなり、生活に困っている」
大学2年生から4年生までの45名と大学1年生の希望者数名が参加する合同ゼミで、9割近くのゼミ生が、アルバイト代が減って困っているという悩みを抱えていたのです。つまり、個々人の問題としてではなく、ある意味、コロナ禍の構造的な問題として、アルバイト代が減少したことによる悩みに直面していたのです。
そんな大学生に対して、あなたならどんなアドバイスをしますか?