感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】「何をやってもうまくいかない」ときのたった1つの対処法

負の連鎖を生まない方法

きょうのひとことは、
「うまくいかないときに、新しく物事をはじめない」

仕事でもプライベートでも、物事がうまくいかないことってありますよね?

そういうときに別の新しいことをはじめて、現状を打破しようとする人がいます。

そういう行為は、基本的にNGなんです。新しくはじめたことも、うまくいかないことが多いでしょう。

アテクシの母は、家事が得意じゃありませんでした。整理整頓や掃除も得意ではなく、お客さんがうちに来たときも、ゴチャゴチャしているところに布を1枚かぶせて隠していたんです。

目の前の物事がうまくいっていないということは、それを管理できてないから破綻しているともいえます。

自分の手に負えなくなったものは、一体なんなのか? どうして、うまくいっていないのか? 本来は、ゴチャゴチャしているところに布をかぶせて誤魔化そうとするように、新しいことをはじめて、うまくいっていないことを誤魔化そうとする前に、「なぜうまくいかないのか」という振り返りや分析をすることが先決なのです。

現状を打破しようと、次から次へと新しいことをはじめても、結局はそれもグチャグチャになっちゃって、手に負えなくなることが目に見えているのです。

「最近、うまくいかないことがあって、ちょっと調子が悪いので、気晴らしに新しいことをやってみようかと思うのですが、どう思いますか?」みたいなことを相談されたりすることもあります。しかし、基本的にはNG。なにかをはじめるより、まずはうまくいっていないことをやめるほうが先決です。

ところが、なにかをやめることが心配だったり、罪悪感を感じたりする人が多いです。

これはビジネスの世界でいうところの「サンクコスト」(途中で事業を中止しても回収できない経費=埋没費用)の考え方に似ています。サンクというのは、英語「シンク」の過去完了形で、「沈んだ」「埋没した」という意味です。つまり、いったんはじめた物事に費やしてなくなってしまったコストのこと。このサンクコストを「もったいない」と考えて、一度はじめた物事をやめられないケースが多いということです。

しかし、過去の経緯やしがらみを一度棚上げして振り返り、ゼロベースで考えてみることが必要になります。いずれにしても、まずは、うまくいかないことを一度やめてみることです。

なにかをはじめることは得意だけど、やめることは苦手な性格の人もいますが、そこは練習して乗り越えましょう。

うまくいかないことに決着をつけてから新しい物事に着手すべきであって、うまくいってないことを打破するために新しいことをはじめるという発想自体が間違いなのです。

きょうのひとことは、
「うまくいかないときに、新しく物事をはじめない」
でした。

参考になったかしら?