良質な睡眠につながる食事とは?

 寝付きやすく、質の良い睡眠を取るために心掛けたい食事のコツを二つご紹介します。

・朝食にトリプトファンをプラス

 睡眠ホルモンと呼ばれているメラトニンは、「トリプトファン」というアミノ酸から合成されるホルモンです。トリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸なので、トリプトファンを含む食材を積極的に食事で取る必要があります。特に朝に取ると、日中は気分が安定して眠気も少なく、夜になるとぐっすり眠れるようになります。

 トリプトファンは、魚や肉、乳製品、大豆製品に多く含まれるので、これらのタンパク質源を1日の中でしっかりとりたいですね。タンパク質の目安量は「自分の体重×1~1.5g」の量(g)です。バナナ、牛乳、はちみつ、ナッツ類、アボカド、タラコなど、忙しい朝でも取り入れやすい食材からも比較的多くのトリプトファンを取ることができるので、活用してみてください。

・夕方以降はノンカフェイン飲料を選ぶ

 カフェインを眠る前に取ると睡眠に悪い影響を及ぼすという知識は、広く浸透してきており、寝る前にコーヒーや緑茶を飲まないように心がける人が増えています。しかし実は、カフェインが代謝されるまでにかかる時間は個人差が大きく、早い人は2時間、長い人では8時間かかるといわれています。

 夜カフェインを取っていないのに、寝付きが悪いという方は、夕方以降はカフェインの多いものは控えて、麦茶やハーブティーなどのノンカフェイン飲料やデカフェ(カフェイン量を抑えたもの)などを飲むようにしましょう。

 質の悪い睡眠を続けていると、太りやすくなったり、生活習慣病のリスクを高めたり、症状を悪化させたりすることも分かっており、睡眠の質を高めることはとても大切です。いろいろ試しても寝付けなかったり、熟睡できなかったりするときは、早めに専門医に相談してみましょう。

参考
e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
国立精神・神経医療研究センター
https://www.ncnp.go.jp/hospital/