現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師の話題書『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介しています。
今回は、あまり知られていない、認知症のきっかけとなりうる骨粗しょう症予防や、成長期の骨の発達にも役立つ食品のお話をお届けします。

認知症専門医が毎日食べる!大人から子どもまで効果絶大な世界が認めた日本の国民食とは?Photo: Adobe Stock

骨を丈夫にする納豆の実力

丈夫な骨でいるためにカルシウムを意識してとっている人は多いと思います。カルシウムは骨の材料になりますからとてもよいことです。

しかし、カルシウムは腸で吸収されにくいのが難点です。吸収されやすい小魚や大豆製品でカルシウムを摂るとともに、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDも意識する必要があります。

ビタミンDは鮭やきのこ類などから摂れますし、日光浴で紫外線を浴びると皮膚でビタミンDが作られます。

さて、ここからが本題なのですが、骨を丈夫にするために必要な栄養素がもう一つあります。知っていますか?

それは体内に取り込まれたカルシウムを骨に沈着させるためのビタミンKです。

ビタミンKが骨の生成に欠かせないことはそこそこ知られていますが、最近の研究でビタミンKにはビタミンK1と、ビタミンK2が存在することがわかってきました。

そしてK2のほうが骨を作る働きを持っていることがわかっています。

ビタミンK2は、体に取り込んだカルシウムが骨になるのを助ける“オステオカルシン”を活性化して、材料であるカルシウムが骨に定着するように働きます。

たとえカルシウムを十分にとったとしても、オステオカルシンを活性化できなければ、動脈硬化を起こしている場所にカルシウムが沈着してしまう恐れもあります。

骨のためによかれと思ってカルシウムをとったのに、骨は丈夫にならず、動脈硬化を進めてしまう可能性すらあるのです。

ではビタミンK2を取るにはどうしたらよいか?

その答えは納豆を毎日食べることです。カナダ人の研究者の調査では、ビタミンK2を含む食品の筆頭に納豆が挙げられています。

[食品100㎖または100g中のビタミンK2含有量のベスト5]
1位 納豆 1103.4μg
2位 フォアグラ 369.0μg
3位 オランダのゴーダチーズ 76.3μg
4位 フランスのブリーチーズ 56.5μg
5位 卵黄(オランダ) 32.1μg

納豆のビタミンK2はケタ違いに多くて、フォアグラの2倍以上、卵黄の35倍も含まれています。ちなみに鶏むね肉にはわずか8.9μgしか含まれていません。

納豆は健康食品だと言われてきたことのエビデンスがまたひとつ示されたのです。私も毎日1パックの納豆を食べています。

白澤卓二著『脳の毒を出す食事』では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった“毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
認知症専門医が毎日食べる!大人から子どもまで効果絶大な世界が認めた日本の国民食とは?

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。