正解は、売り。

売りシグナルが出たら売るだけ

 株の売買を何十回、何百回とやっていけば、超ラッキーなトレードにも超不運なトレードにも出くわします。

 私はファンドマネジャー時代、何万回というトレードをしてきましたから、超ラッキーも超不運も何度も経験しています。どんなことがあっても冷静に「ダメな銘柄は売る」を徹底できることが長期的に勝つために必要です。

精神的ショックを引きずると損失はどんどん膨らむ

「800円で買った株がいきなり700円」とは、とんでもない不運です。でも700円で売れば100円の下げで済みます。とんでもない不運に見舞われた時に100円の損失で済ますことこそ、トレード妙味です。

 700円で損切りした株が500円まで暴落したら、私はガッツポーズしていました。超不運で大損しなければ、次に超ラッキーがくることを知っていたからです。

 でも、人間は感情の動物です。超不運に見舞われると動転します。完璧なピッチングを続けていた投手がソロホームランを打たれた後に急に大崩れするように、精神的ショックを引きずったままトレードすると判断ミスが続きます。

 私が本書で、買った直後に急落する問題を何度も出すのは、超不運を疑似体験してもらうためです。実際のトレードでこんな目にあっても「ああ、これか。損切りするだけだ」とクールに対応できるようになってほしいからです。

(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)