日本が「ウクライナ感謝国リスト落ち」していた理由、“千羽鶴カルチャー”で空回り写真はイメージです Photo:PIXTA

応援してきたのになぜディスられ、感謝もされない!?
日本人がこんな気持ちになる背景

「これだけ支援しているのにナチスと同じ扱いだわ、感謝もしないってのはちょっとひどいんじゃない?」

 ウクライナの「塩対応」にネットやSNSではそんな憤りの声があふれている。きっかけは、ウクライナ政府の公式Twitterがおよそ1カ月もの間、「ファシズム」の象徴として昭和天皇をヒトラーなどと並べた動画を投稿していたことだ。

 日本政府が正式に抗議をしたことで昭和天皇の画像の部分は削除されたが、さらに驚くようなツイートがあった。

 なんと今度はウクライナ外務省の公式アカウントが、ウクライナを支援している31カ国への感謝を述べる動画をアップしたのだが、何度見てもそこに「Japan」がなかったのだ。

 ご存じのようにこの2カ月、日本はロシアへの制裁に力を入れてきた。「人殺し」「日本から出てけ」などと在日ロシア人が脅迫や嫌がらせにあうほど、政府や国民が一丸となってウクライナを応援してきた。

 にもかかわらず、「感謝する国」の中に入っていない。この事実を前に、「打倒プーチン」「国際社会で協力してロシアを叩きのめせ!」と叫んでいた人々がなんだかビミョーな空気になっているのだ。

 ウクライナ大使館によれば「武器提供してくれた国に対する感謝」だそうだ。「軍の認識不足」を指摘するウクライナの方も多いが、これらの釈明にしっくりきていない人も多い。「感謝国」の中に、武器や弾丸の支援を拒否しているブルガリアや、トルコが入っているからだ。

 トルコはNATO(北大西洋条約機構)に加盟をしているにもかかわらず、ロシアへの制裁を拒否しており、現在まで良好な外交関係を維持している。民間企業はドローン兵器をウクライナに売っているが、国としては「武器を提供していない」というスタンスだ。また、4月18日にロイターが報じたところによれば、ウクライナ侵攻開始以降、10万人以上のロシア人がトルコで住民登録を申請している。その中にはプーチン政権を支える新興財閥・オリガルヒもいて、経済制裁の抜け穴になっているのだ。

 そんなロシアを支えるトルコに「感謝」が述べられているのに、ロシアへの制裁を強めて、ロシアの外交官を国外追放にまでした日本は、元ファシズム国家とディスられ感謝もされない。愛国心あふれる方でなくとも、モヤモヤしている人も多いのではないか。

 では、なぜこんなことになってしまうのか。