『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
大学院生です。
教養を身に着けたいと考えています。
教養の定義にも色々あるでしょうが教養がある人は大体名著について精通しています。
そこで世界的な名著を読み漁っていってますが名著の数は多く、時間が当然ながら足りないです。社会人になったらもっと時間もなくなると思うとゾッとしています。
そこで例えば100分de名著や池上彰さんのような解説本を読んでいくというのでも教養はついていきますでしょうか?
名著との向き合い方についての読書猿さんの意見をお伺いしたいです。
名著と教養は無関係です
[読書猿の回答]
それより自分の研究をしてください。
「名著」を読み漁って身につくのは「名著を色々読んだな」という思い出だけです。無価値ではありませんが(思い出は大切です)教養とは無関係だと思います。
名著が「多くの人にタイトルだけは知られている」以上の価値を持つ書物であるなら、もっと時間を、時に一生を、費やす価値があるはずです。