増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】どうしても不安や落ち込みから抜け出せない人の特徴

不安が軽くなるたった1つの方法

きょうのひとことは、
「不安という底なし沼から抜け出す」

アナタはいま不安を抱えていますか?

多くの人が不安を抱えて生きていますが、不安を軽減する方法は、じつはたくさんあります。

そもそも不安というのは曖昧な感情ですし、いろんなパターンの不安があるので、不安の内容別に対策は無数にあるともいえます。

きょうは、そのうちのひとつ、物事を悪い方向に考えて不安になってしまうケースを紹介しましょう。シンプルにいうと、先行きに対する不安を軽くする方法です。

まだ起きてもいない先々の悪い結果を漠然と想像して不安に苛まれる人は、けっこう多いです。

多少うまくいっていない現状があって、これ以上悪化することを過度に不安がる人。四六時中、そのことばかりに心を奪われて、恐れる人もいます。

こういうケースでは、自分がもっと悪い状況に陥る可能性があることを、ある程度、察している。だからこそ、それを見たくない、見ないようにしたい。そうなってほしくないという気持ちが混ぜこぜになって、モヤモヤすることが多いです。

こうした不安を軽減するには、事態が悪化する可能性とともに、ある程度の幅をとって、改善する可能性を含めて考えるように心がけてみることです。

よくも悪くも、あり得る範囲のなかで先々の変化を想定して、悪くなったとしても「自分はこういうふうに考えればいいかな」と想像しておく。実際には、そこまで悪くならないこともあるので、多少悪化してもいいように備えておくのです。

不安に目を向けないと、かえって不安になってしまうので、自分の不安に向き合って、ある一定の確率をシミュレートしてみるということです。よくなるパターンも想定して、自分の気持ちを保つことがポイントです。

昔の人は「備えあれば憂いなし」といいましたが、まったくその通りなんですね。

もっと悪い状況が起きたとしても、「自分はこう考えよう」と備えておけば、実際にはそこまで悪くならないかもしれないし、なったとしてもパニックになることはないでしょう。

なにごともケース・バイ・ケースなのですが、こうしたシミュレートをやりはじめると、その時点でパニック状態に陥る人もいるので、そうなったら直ちにやめてください。

今回の不安への対策は、悪いことを考えたくないという気持ちが強すぎて不安になるケースです。不安に目を向けたくない気持ちが強すぎて、目を背けようとすると余計に不安が募ります。

暗がりが怖くて、そこを見ないようにすると余計に怖くなるのと同じようなことで、実際に見てみたら、ただそこに暗がりがあるだけだったりします。そこを見ないようにすればするほど、怖さが増幅してしまう。

だから、ちょっと怖いにせよ、冷静に暗がりの実態を想定してみることです。「ここは、つまずかないようにすればいいな」とか、そういうふうにちょっと悪い状況も頭の中でシミュレートして、気持ちの備えをしておくことです。

くり返しますが、人によっては暗がりの実態を想定する時点でパニック状態になることもあるので、そのときは直ちにやめてくださいということです。

きょうのひとことは
「不安という底なし沼から抜け出す」
でした。

参考になったかしら?