感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】一方的なお願いへのたった1つの対処法

「お願い」のトラップ(罠)とは?

きょうのひとことは、
「一方的なお願いは全部カットでいい」

「お願いがあるんだけど」といわれることはありませんか?

あなたには、なにもメリットがないけれど、お願いをする人にはメリットがあること。

これが「お願いがあるんだけど」の本質です。

これが本質だとすると、そんな筋合いはないですし、そもそも失礼なことでもあります。

こうしたお願いごとは全カット、つまりすべて拒否していいでしょう。

ここでいうことは、「本日はお願いがあって参りました」という仕事上の儀礼のようなことではありません。

表面上は、世間一般でよいとされていることをお願いする場合も、あなたにその意志がなければ拒否していいのです。

たとえば、ボランティアをお願いされたとします。

ボランティアという言葉は、voluntas(意志)というラテン語が語源だといわれているそうです。

この語源からもわかるとおり、ボランティアは自分の意志によって参加するべき活動であって、人からお願いされてやったら、それは本来のボランティアではないでしょう。

寄付も募金活動をしている団体に自らすすんで金品を贈ることであって、本来はお願いされてすることではないでしょう。

つまり、あなたの意志がともなわないのに、あなたの「好意をちょうだい」といっているに等しいお願いに関しては、全カットしていいと思います。

もちろん、ボランティアや寄付を否定しているわけではありません。あくまで参加する人の意志が大切だと思うのです。

以前、『「関わらないほうがいい人」の特徴とは?』という記事で、「テイカー(得る人)」の話をしましたが、なにか物事をお願いするのであれば、ギブ・アンド・テイクのバランスも、ある程度求められるはずです。

人によっては、自分がやっていることはよいことなのだから、当然、お願いを聞き入れてくれるだろうという一方的な前提があったりしますが、それは一種の“甘え”ともいえます。

相手に「好意をちょうだい」といっているに等しいという自覚がないままお願い事をされた場合、あなたの意志がともなわないのであれば、全カットでいいと思います。

あなたの意志がともなわないのであれば、「できるかどうか」「やってあげられるかどうか」と検討する前の時点でカットするくらいでいいでしょう。

そのような視点をもつようになると、相手の提案のなかに「好意をちょうだい」と一方的にいっているかどうかが見えてくるようになります。

そのお願いを自分の意志に反して、無理に受け入れてしまうと、次からは受け入れるのが当たり前になってしまいかねません。

そもそも常識のある人であれば、そういう提案はしてこないはずです。常識的に考えて、なにかやってほしいことをお願いするのであれば、なんらかの形で、相手にとっても失礼のないように配慮するからです。

世間的によいとされていることを丁寧な言葉づかいでお願いされたりすると、「なんかやらなきゃいけないのかな」と思うかもしれませんが、くり返すように自分の意志がともなわないのであれば、受け入れないほうがよいでしょう。

自分の意志をともなわないお願いを受け入れると、意志をともなわない関係性が続いていくことにもなりかねませんから、最初から全カットするくらいでよいのです。

くり返しますが、ボランティアや寄付を否定しているわけではありませんから、そこは誤解のないようにしてください。

きょうのひとことは、
「一方的なお願い事は全部カットでいい」
でした。

参考になったかしら?