株式市場の低迷の背景にあるのは、インフレと金利の上昇だけではない。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の新たな常態に経済が到達したことを市場は示している。そしてそれは、投資家が期待したほど高い収益を生んではいない。このパンデミックは消費者や労働者、企業の行動に一世代に一度の変化を引き起こした。リモート形式の生活と仕事にシフトし、それに伴って電子商取引(Eコマース)や遠隔医療などでビジネスモデルのデジタル化が起こった。この変化をけん引した企業の売上高、利益、そして中でも株価は、急激に上昇した。その転換は今や、ほぼ完了している。パンデミックはまだ続いているとはいえ、米国人はパンデミックと共存するすべを身につけつつある。いつものことながら、米金融街はこの変化がいつまで続き、どこまで変わるかを楽観視し過ぎていた。
コロナ後の常態、生産性は期待外れ
パンデミックが追い風だったアマゾンやネットフリックスの株価急落が示す経済動向
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