中国経済は新型コロナウイルス流行初期以来、最も深刻な景気減速に見舞われている。その影響は国境を越えて波及する見通しで、とりわけアジアの近隣諸国が大きな打撃を被りそうだ。中国では経済を支える住宅市場の苦境が続く中、上海など各地でコロナ対策のロックダウン(都市封鎖)が敷かれ、景気見通しが急速に悪化している。コロナ規制が製造業とサービス業に打撃を与え、4月の購買担当者指数(PMI)は2020年前半以来の低水準に沈んだ。それでも、指導部は厳しい「ゼロコロナ」政策に固執しようとしている。中国の内需が落ち込めば、中国向けの輸出が打撃を受ける。一方、ロックダウン導入で他国の製造業向け供給が滞る可能性があり、とりわけアジア諸国に影響が広がりそうだ。