直接会うことが減り、オンラインでのやりとりが増えてきた今「手書き」文字は「個性」や「人柄」に触れられる数少ないツールとしてその重要性はますます高まっています。とはいえ、忙しい現代人が字のおけいこに費やせる時間はさほどありません。そんな方に向けた新発想の美文字本が『簡単ルールで 突然、美文字が書ける』。字が苦手な人を長年指導してきた著者・萩原季実子さんが「字がうまく書けない理由」を研究し、少し変えるだけで飛躍的に字がうまく見えるポイントだけをルール化した本で、練習なしでも、誰でも、自分史上最高の「美文字」が書けるようになると話題です。この連載では、本書より抜粋しながら美文字のコツを紹介していますが、今回は人生のターニングポイントと言える「結婚」で、「美文字」が運命を変えたお話をご紹介します。

美文字は<br />人生のターニングポイント<br />で威力を発揮するPhoto: Adobe Stock

人生のターニングポイントでの「美文字」

 先日、「簡単ルールで突然、美文字が書ける」を手に取ってくださった方からこんなお話を聞きました。

 その方は40代の女性で、お嬢様はすでに社会人として、離れて暮らしておられます。先日、そのお嬢様に、突然、ご結婚が決まったとのこと。おめでた婚らしく、急な話だったので、嬉しい気持ちの一方で、お相手の方とはほとんど会ったこともなく、人柄もわからず、ちょっとモヤモヤしてらっしゃったそうなんです。

 ところが、そんなモヤモヤを吹き飛ばしてくれたのが、婚姻届に、端正に書かれたお相手の方の美しい字だったといいます。ご自身のお名前が、とても丁寧にきれいな字で書かれていたそうです。

「その文字を見た瞬間に、その方の育ちのよさや、丁寧でやさしいお人柄まで伝わってくるような気がして、なぜかとても安心したんです。突然のことでちょっと戸惑っていた気持ちも吹き飛びました」とのこと。手書きの文字の持つ威力に改めて気づいて、自分もきれいな字を書きたいと本書を手に取ってくださったそうです。

 今や、数少ない手書き文字の出番は、「結婚」「就職」「入学」など、人生のターニングポイントのことが多いもの。普段、手書き文字を目にする機会が減っているからこそ、その価値も大きくなります。「美文字」は人生をも左右することがあるといっても過言ではありません。ぜひ、そんな機会が訪れたら、本書を参考に「美文字」のコツを身に付けてください。