債券投資家はさらにどれほどの下落に耐えることができるだろうか。2022年はこれまでに、インフレが加速する中で米国債市場は10%下落した。米史上最悪のリターンに入る水準だ。連邦準備制度理事会(FRB)は4日、0.5%の利上げに踏み切ったが、これは22年ぶりの大幅な利上げである。しかし、けがをした後、回復を実感できるようになる前から体は治癒し始めるのと同じように、債券投資家にとって最悪の時期はもう終わりつつあるのかもしれない。いま債券を手放す投資家は、高値で買って安値で売るという間違いを犯している可能性がある。まずは、この痛みを歴史的な観点から見てみよう。米国債市場(インフレ調整前)は1976年以降、4年を除いて全ての年でプラスのリターンを上げてきた。FRBが6回の利上げで計2.5%も金利を引き上げた1994年でさえ、米国債は全体としてわずか3%の下げにとどまった。