米国は大量の機密情報をウクライナと共有する上で際どい綱渡りをしている。ウクライナ軍がロシア軍を撃退できるよう支援しつつ、米国がロシアのウラジーミル・プーチン大統領と直接衝突するのを避ける取り組みだ。米国の現・元当局者らが明らかにした。現・元当局者らによれば、米国の情報共有政策の要諦は、米国がロシア軍の部隊・戦車・艦船の動きに関するデータを提供し、ウクライナが自らの情報収集能力も活用して攻撃のタイミングを決める、というものだ。ウクライナ軍が米国から提供された情報を使って、ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」の位置を特定して攻撃したり、ロシア軍の将軍らを戦場で死亡させる攻撃を行ったりしたことが、過去1週間に明らかになった。これにより、米情報機関からウクライナ政府にデータが迅速に提供されていることが浮き彫りになった。こうした情報共有はほぼ前例がないと当局者らは指摘する。