若手育成写真はイメージです Photo:PIXTA

テレワークが当たり前になった一方で、出社比率を上げる企業も増えてきました。これからはオンラインとオフライン、両方のメリットを組み合わせて人材育成計画を立てていく必要があります。早くからテレワークを導入している外資系企業のノウハウを踏まえ、後編では、オンライン・リアル研修両方の良さを生かしながら人材育成計画を立てるポイントや、オンライン研修で効果を上げるために知っておきたいコツをお伝えします。(カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、産業カウンセラー 片桐あい)

>>前編より続く

OJTとOff-JT、それぞれテレワーク想定で育成計画を立てる

 新人や若手社員の育成計画の立て方について、テレワークとオフィスワークで変えるべきかと問われれば、答えはもちろん「YES」です。

 テレワーク率によっては多少の差異はあるでしょうが、テレワークとオフィスワークでの決定的な違いは、リアルで隣の席に座ってできるOJT (日常の業務につきながら行う教育訓練、On The Job Training) がテレワークではやりにくいと感じる点。また、OFF-JT (通常の仕事とは別に行う教育訓練、Off The Job Training)についても、集合研修に比べて、オンライン研修では反応も見えにくく、効果がないのでは?と感じる人も多いでしょう。

 OJTもOff-JTもどちらも、オンラインだとやりにくいと感じるのは、相手の様子が見えにくく、反応が分からないとか、感覚的なものが伝わらないという理由が大きいでしょう。オンラインのデメリットは確かにありますが、一方でメリットもあります。

 例えば、遠く離れている相手とも時間さえ合わせることができれば会えるわけですし、移動時間が要らないことも大きなメリットです。また、録音・録画がしやすいので、繰り返し視聴ができますし、資料の共有も簡単です。このようなオンラインならではのメリットを生かすには、教える項目を洗い出して、オンラインとオフラインに振り分けていくとよいでしょう。オンラインの方がやりやすいものはオンラインでやるようにし、オンラインだと難しいような感覚的なことを伝えたり、道具や装置を使ったりするような研修内容の場合にはリアルで会える時に行うよう、計画するのです。

 また、オンラインミーティングで録画したものは教材として繰り返し使用できるため、育成対象者の自習や復習用に使ったり、他のメンバーへ教える時に役立てたりできることも大きなメリットです。