コロナ禍で急速に普及したテレワーク。全員が出社することが珍しくなったという職場も少なくない。こうした新しい働き方が浸透する中で、一つ大きな課題となっているのが「部下の育成」だ。部下の働く姿を直接見る日が減る中で、どのように部下を育てていけばいいのか。『あなたが部下から求められているシリアスな50のこと』の著者で、これまでに4万人のビジネスパーソンを指導してきた濱田秀彦氏が、コロナ時代の「部下の育て方」を解説する。
テレワーク下で
一人前の部下は育つのか?
私は、マネジメント研修の講師として、22年間で4万人を指導してきた。その中で、最も多いのが、「部下の育成」をテーマにした研修である。
企業の状況に応じた「こうすれば部下育成はうまくいく」という指導を行い、評価を得てきた。
そして現在の新型コロナウイルスによるテレワーク下においても、多くのマネジメント層の方から「部下の育成」に関するお悩みやご相談を受けている。
本質的には、これまで私が「こうすれば」とお勧めしてきたことに変わりはない。
そのうえで、特にテレワークにおいてはどんなことに注意し、心がけることで、直接会う機会が少なくてもスムーズに指導し、部下の成長を促すことができるのか。
ここで改めて、そのポイントを整理し、お伝えしようと思う。
「新型コロナウイルスの収束後もテレワークを前提にした働き方を継続しよう」という志向が広がるなか、今回は、テレワークを活用した新しい働き方において、「部下の育て方」がどうあるべきかについて考えてみたい。