テレワークが明らかにした
優秀な上司と無能な上司の違い
小宮コンサルタンツ代表
コロナ危機により、多くの企業が半ば強制的にテレワークを導入しました。こうした状況では、パフォーマンスの把握に苦労した企業も多いのではないでしょうか。会社が社員に対して、どのようなアウトプットを求めているのかがはっきりしている、言い換えれば、米国企業のように「ジョブディスクリプション(職務記述書)」を明確にしている企業の場合は、パフォーマンス管理も比較的行いやすかったと思います。しかし、そうでなかった企業の中には、とにかく訳も分からないままに社員に在宅勤務をさせたところもあったと思います。
在宅勤務を機能させるためには、上司は同じオフィスでともに仕事をすることを前提とした従来の部下の評価方法を改め、働く場所が異なるテレワーク下でも適用できる「パフォーマンスによる評価方法」を新たに考え出さなければなりません。
会社にとって、きちんと「アウトプット」を出す社員が好ましいことは、以前と変わりません。しかしながら、社員が一つのフロアに集まって仕事をするのが当たり前だったときには、チームの和を乱さないとか、同僚と仲が良いとか、真面目にパソコンに向かっている……というようなアウトプット以外の“模範的な立ち居振る舞い”を部下に求め、その部分を重視した評価を下す上司もいました。