銀行の自己資本比率規制「バーゼル3」、内部格付け手法の見直しPhoto:PIXTA

内部格付け手法に資本フロアを導入

 連載の第5回は、2021年9月に公表された規則案に基づき、内部格付け手法の見直しのほか、派生商品取引の与信相当額、CVA(信用評価調整)リスクの見直しについて解説する。

 内部格付け手法とは、銀行の内部格付けに応じて推計したデフォルト率等を、所定の算式に代入して信用リスクアセットを算出する手法である。算式に代入するパラメータとして、デフォルト率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)、デフォルト時エクスポージャー(EAD)がある。内部格付け手法には、これらのパラメータをすべて銀行が推計する先進的内部格付け手法と、PDのみを銀行が推計する基礎的内部格付け手法の二つの手法がある。