際立つハイブリッドの完成度
足回りはしっかりとした印象

 走りはスムーズで、なかなか力強い。従来型で見受けられた“エンジン回転が先行して加速がなかなかついてこない”感覚がかなり低減されていた。ここまでできるのかと驚くほどの自然な感覚に仕上げられている。

 右足の動きに合わせてリニアに応答し、踏み増すとそのとおり遅れなく加速してくれて、街中から気持ちよく走れる。

 足回りは適度に引き締まっている。路面への感度がやや高く、乗り心地は意外と硬めで、多少ドラミングが出がちな傾向が見受けられた。そのぶんハンドリングは軽快で、箱型ミニバンにありがちな重心の高い感覚は薄められている。ステアリングの操舵力は軽く、扱いやすい。適度な手応えがあるので、切りすぎて修正舵が増えるような傾向もない。

 今回は車両側の都合で、新型の目玉装備のひとつ、一定条件下でのハンズオフを可能とした“アドバンストドライブ”は試せなかった。ACCの印象は強力なモーターを持つ強みもあって、追従性能はまずまず。ただし、最も車間距離を詰めた設定にしても、やや車間が開きぎみなのと、車線維持機能が“車線上に車輪が乗るところまでいってしまう”ことがたびたびあるのが少し気になった。

 注目の新機能では、全操作をクルマ側が行い、さらにスマートフォンでも操作できる駐車および出庫機能が採用(ハイブリッド車)されたことが挙げられる。

 価格はずいぶん高くなった印象を受けるが、中身もそれだけ充実している。装備内容やリセールバリューを含めて検討すると、お買い得感は高水準。多少は高くてもいいものがほしい、というユーザーに最適だと思う。間もなくデビューする競合車と比べても割高ではない。

 スタイリングについては、“いかつい顔”に賛否が分かれているようだ。個人的にはよくまとまっていると思う。

 周到なマーケティングの末に導き出された、“売れる”デザインであることには違いない。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)

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