乖離率は、できるだけ低いことが望ましい
もう一つ具体例を見てみましょう。【下図表】は、国内上場のETF「Next Funds 南アフリカ株式指数」の乖離率の推移です。
各年の平均乖離率は2019年がマイナス8.342%、2020年がマイナス7.149%というように非常に大きくなっています。
乖離率がずっとマイナスで推移していることから、人気のない銘柄で常にディスカウントでしか取引できない状態にあることがおわかりいただけるでしょう。このような銘柄には、投資すべきではありません。
乖離率は、できるだけ低いことが望ましいのです。
そのためには純資産残高や出来高をチェックしてETFを選ぶことが必要です。海外ETFについては、米国モーニングスターのサイトで銘柄ごとに純資産残高と出来高を調べることができます【下図表】。
モーニングスター株式会社 代表取締役社長。
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。
主な著書に、『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『つみたてNISAはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『iDeCoで自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。