銀行の自己資本比率規制「バーゼル3」、マーケットリスクを詳細解説Photo:PIXTA

不算入特例に追加された
外国為替リスク要件

 連載の第6回は、2022年4月に公表された規則(確定版)に基づき、マーケットリスクの見直しについて解説する。「不算入特例」やリスク相当額の算出方法の見直しのほか、バンキング勘定の商品しか保有していない場合は負担が軽減されることなどを説明する。

 マーケットリスクとは、市場相場の変動により損失が発生するリスクを指す。自己資本比率の分母には、マーケットリスク相当額(を12.5倍した額)が算入されている。ただし、現行制度では、トレーディング取引が計上される「特定取引勘定」(注)の資産と負債の合計額が1,000億円未満で、かつ総資産の10%未満の場合、マーケットリスク相当額の算入が不要(不算入特例)となっている。21年9月末時点で、主な銀行110行のうち、96行に不算入特例が適用されている。

 見直し後の不算入特例では、現行制度の要件に加え、外国為替リスクが一定額未満であることも求められる。具体的には、外国為替リスクのネットポジションが1,000億円未満で、かつ同ポジションの額と信用リスクおよびオペレーショナルリスクのリスクアセットの合計額の10%未満であることも求められる。そのため、現行制度で不算入特例が適用できる場合でも、外国為替リスクが一定額以上であれば、新たにマーケットリスク相当額の算入が必要になる。