ガストPhoto:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年1〜3月度のファミレス編だ。

ロイヤルホスト、サイゼリヤ、デニーズ…
売上が前年超えでも笑えない「不都合な傾向」

 ファミレスの主要5社が発表した2022年1〜3月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯すかいらーくグループ(すかいらーく)の既存店売上高
 1月度:前年同月比115.8%(15.8%増)
 2月度:同93.1%(6.9%減)
 3月度:同99.0%(1.0%減)

◯ロイヤルホスト(ロイヤルホールディングス〈HD〉)のロイヤルホスト既存店売上高
 1月度:前年同月比140.6%(40.6%増)
 2月度:同104.9%(4.9%増)
 3月度:同110.0%(10.0%増)

◯サイゼリヤの既存店売上高
 1月度:前年同月比125.3%(25.3%増)
 2月度:同109.1%(9.1%増)
 3月度:同117.0%(17.0%増)

◯デニーズ(セブン&アイホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 1月度:前年同月比129.9%(29.9%増)
 2月度:同96.3%(3.7%減)
 3月度:同107.9%(7.9%増)

◯ジョイフルの既存店売上高
 1月度:前年同月比122.3%(22.3%増)
 2月度:同84.8%(15.2%減)
 3月度:同97.6%(2.4%減)

 22年3月度の実績を見ると、ロイヤルホスト、サイゼリヤ、デニーズの3社が前年実績を超えている。しかし、これを見て「3社がコロナ禍のダメージから復活した」と考えるのは早計だ。

 実は、各社の実績を時系列で分析すると、ファミレス各社にとって不都合な「ある傾向」が見えてくる。さらに、新型コロナウイルス禍の前と比べて3割超も減収したままの「負け組企業」があることも分かった。