新年度を迎えて1カ月。新しい環境にまだまだ慣れない人も多いのではないでしょうか。営業職に就き、思うように成績を上げられずに悩み始める人が多いのもこの時期です。研修も終わり、実際に営業活動を開始すると、現実とのギャップを少しずつ感じてしまうもの。営業がうまくいかない原因は何なのでしょうか。営業の形も大きく変わる中で、これから成果を出し続けるために必要なことを解説します。(作家、株式会社HIROWA代表取締役、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授 和田裕美)
「ガツガツ営業」終焉の兆し
優秀な営業マンはどう変化しているのか
営業職に就いている方の多くは、セールスの目的を「売ること」だと認識しているのではないでしょうか。もちろんそれは正しい答えです。仕事には“ノルマ”が設定されますから、その達成のために日々奮闘するのは当然のことだといえます。
しかし近年、上場企業の中にも“ノルマを設定しない会社”が少しずつ増えてきています。「ノルマのない営業」と聞くと、なんだか不思議な感覚になるかもしれませんが、ノルマがなくても業績が上がる、それが今後最先端になっていく可能性は、実はかなり高いんじゃないかと思っています。
私は15年間、「売れる営業に変わるセミナー」を開催しているのですが、その中で、“売るための営業”が年々うまくいかなくなってきていることを実感しています。売り方の基礎知識や、セールスの基本動作は変わっていませんが、契約をゴールとする「ガツガツした営業」が淘汰(とうた)されていく片りんを感じているのです。