テク新興企業、評価急落で「宴」の終わりPhoto:vicnt/gettyimages

 IT(情報技術)スタートアップ企業に対する投資環境が一変し、13年にわたる強気相場に乗じてきた創業者や投資家の運命が反転しつつある。

 人員削減や懐疑的な投資家、資金流出、評価額引き下げの可能性などの新たな環境によって、スタートアップ企業の勢いが急落している。

 創業4年のセラシオは、アマゾン・ドット・コムに出店する企業を買収して成長させる事業を手掛ける電子商取引(EC)スタートアップ企業。昨年、評価額100億ドル(約1兆2900億円)超で特別買収目的会社(SPAC)と合併し、上場する見通しだった。しかし、その計画は実現せず、負債と株で調達した34億ドル以上の資金を費消し続けている。

 セラシオはここ数週間で人員の20%近い削減やCEO交代、買収の減速、エンジニアリングプロジェクトの縮小を断行している。複数の元従業員への取材やウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した社内メモで明らかになった。

 セラシオの軌跡や多くのスタートアップ企業の評価額急騰を後押ししたのは、長年にわたる低金利環境や上場企業株式数の減少を受けたベンチャーキャピタル(VC)への資金流入だった。この流れが2020年に加速した。コロナ規制でデジタルアプリやサービスが注目の資産クラスとなる中、一部の投資家は金融刺激策やその他のコロナ救済措置であふれた安価な資本をスタートアップ企業に投じた。