日本でもIT技術の進化で、仕事が自動化され、ミスが起こりづらい環境が整えられつつあります。しかし、人為的なミスで大きな問題につながる事件があとを絶ちません。もちろんミスをしたい思ってミスしているわけではありません。多くの場合、ミスをしたくないと思っている人がミスを起こしています。“人為的”とは決して“悪意”ではないのです。

 ならば、人為的なミスを撲滅するため対策を講じることになりますが、驚くことにミスを起こすのは組織でも特定の人に偏っていることがほとんどです。おそらくミスをしやすいスタイルで仕事をしているからでしょう。では、どうすればそんな人もミスを減らせるのでしょうか。ミスの多い人、ほとんどない人の違いを探ってみました。

組織を揺るがす大きな事件は
人の些細なミスが原因に

うっかりミスが多い人は、仕事のスタイルに問題があるかもしれません

「また君がミスを起こしたのか…。でも、仕方ない。みんなでリカバーしよう」

 何度もミスを繰り返し、周囲がリカバーに追われる事態を引き起こす人がいます。昔であれば、そんな社員は「ふざけるな!」と叱られ続けるものですが、叱りつけると上司がパワハラと認定されかねないので、ぐっと耐えなければならなりません。ゆえに、ミスを繰り返す部下がいると、上司のストレスがより溜まる時代になったと言えます。

 ただ、ミスを犯した人は何も思わないわけではありません。もちろん悩み、「どうしてミスをやらかしてしまったのだろう。もう、二度とミスは起こすまい」と、大半の人は反省しています。振り返れば、私も若い時期にはたくさんの失敗をしたものです。

 マイナビが行ったアンケート(2013年2月)によると、入社前の大学4年生に「仕事をこなす自信はありますか?」と尋ねると、「自信がある」が69.5%。一方で、若手社員のなかで新人時代に仕事で失敗経験のある人は57%と、世間は甘くないという現実が浮き彫りになります。

 同アンケートに寄せられた失敗談の例としては、「歓迎会の翌日に遅刻」(28歳・男性)や「敬語の使い方のまちがい」(24歳・女性)といった基本的なミスに加えて、私の周囲には、

・商品の発注数を一桁間違えて、在庫過剰を起こした
・お客様を怒らせる失礼な接客をしてしまった
・工場の機械の取り扱いを誤り、故障されてしまった

 など会社の損失につながるミスを起こした人もいます。