米ダートマス大学の経営学修士(MBA)課程に通う学生は今春、インドのタミル・ナードゥ州の街角にある商店を訪れ、現地の買い物習慣を観察した。周囲ではオートバイが行き交い、ニワトリが鳴いていた。といっても、それは仮想現実(VR)ヘッドセットを外すまでのことだ。例年であれば、学生たちは授業の一環として、インドや他国に旅行していただろう。あるいは、ダートマス大学タック経営大学院の事例研究の授業で、そうしたシナリオを議論していたかもしれない。代わりに、実際には何千キロも離れた場所で、その地域の経済活動の細部を見学し、その市場に合った製品やサービスをどう開発するかを探った。VRを活用し、ヘッドセットを介して配信される映像を使い、学生に遠く離れた土地を体験させる経営大学院が増えている。コロナで多くのMBAプログラムが海外研修の中止を余儀なくされたが、そのタイミングでVRテクノロジーの需要が本格化し、ヘッドセットの普及が進んだ。ダートマス大学などが早々とそれを試したことで、授業と全般的な学生体験双方の一環として、このテクノロジーを採り入れる学校が増えている。
仮想現実で学ぶMBAコース、コロナで増加
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