米株式市場が急落し、先週にS&P500種指数が弱気相場入り寸前となったことを受けて、比較的安全な米国債に投資家が殺到した。結果として、米国債相場は数十年ぶりの大幅な下げが一服した。米国債利回りは最近、数年ぶりの高水準から低下(価格は上昇)し、金利見通しの高まりを背景に何カ月も売り圧力にさらされていた債券投資家はひとまず安堵(あんど)した。株安が加速する前から利回りには上昇一服の兆しがあった。経済成長とインフレを鈍らせる程度にまで経済全体の借り入れコストが上昇した可能性がある、と投資家が自信を強めていたからだ。予想を下回る企業決算が相次ぎ、これを嫌気して株価が下落すると、投資家は経済成長に対する懸念を強め、利回りが一段と低下する事態となった。
米国債利回りの上昇一服、株安で逃避需要
株急落で比較的安全な米国債に投資家が殺到
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