インド太平洋地域で中国への対抗を狙ったジョー・バイデン米大統領の計画は、目標には届きそうにない。米国は23日、十数カ国とともに新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の立ち上げを表明した。この地域における中国の影響力に対抗する狙いがあるのは明らかだ。オーストラリアや日本など従来の同盟国に加え、発足メンバーにはインドのほか、インドネシアやベトナムといった多くの東南アジア諸国も含まれる。米国は2016年に「環太平洋経済連携協定(TPP)」から離脱して以降、同地域における明確な経済戦略を欠いていた。残ったTPP加盟国はその後、米国抜きで「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」を立ち上げ、18年に発効に至った。CPTPP参加国の多くは20年、これとは別の巨大な貿易協定である「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」にも加わった。RCEPの中身はそこまで野心的ではないが、中国が参加しているという点において特筆に値する。
米が推進する新経済圏構想、力不足の「次善策」
有料会員限定
あなたにおすすめ