ウクライナ軍の前線基地となった地下室の壁がガタガタと揺れ、天井からしっくいの破片が落ちてきた。崩れ去った上部の建物に対し、ロシア側の砲弾が執ように撃ち込まれていた。さびれた村の外部に設置されたカメラにつながる監視モニターの画像には、あちこちから黒煙の立ち上る様子が映っている。「今日のロシアは怒り狂っている。昨日われわれに戦車2台をつぶされたからだ」。カルパチアンシック大隊のマリアン小隊長はこう語った。他の軍人同様、彼はファーストネームしか名乗ることができない。ロシアが制圧した東部の都市イジュームに近い前線に配置されている。「ここにいる兵士全員にとって一番の夢はモスクワの戦車を破壊することだ」と彼は言う。
ウクライナ偵察兵、ロシア標的追う激戦地帯
「われわれは、ただ敵にやられるのを待つだけの受け身の被害者ではない」
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