リスキリングや学び直しの重要性が声高に叫ばれている。ただ、スキルを身に付けるだけでなく、何より「能力」を上げることがポイントだと筆者は考える。では、仕事で成果を出す人が持っている能力とは何か。それが分かると成果を出すためのコツが見えてくる。(キャスター取締役 石倉秀明)
仕事で成果を上げる人に
共通する「能力」とは何か
採用面接で「スキル」や「経験」は問うが、「能力」について問わない会社は多い。
ただ、同じ経験をしてもスキル(=技術、できること)に変えられる人と変えられない人がいるわけだが、その差こそが能力にある。
企業としては、経験が少なくても高い成果を出せる人材、新しい環境に来ても結果を出せる人材が欲しいと思っているはずだ。ならば、そのポイントとなる能力は面接や選考の中で最も見極めたい要素だが、経験やスキルを聞いて終わりの会社がほとんどである。
皆さんの周りにも、経験や知見が乏しい分野の仕事にもかかわらず、毎回結果を出す人がいるのではないだろうか。そうした人たちが、「経験をスキルに変える能力が高い人」である。
経験とスキルと能力は別物なのだが、この能力の存在が軽視されている。面接や配属などマッチングの場でもそうだし、社員の能力を向上させることに投資できている会社は多くないだろう。
また「経験を積む」「スキルを身に付ける」とは言うが、「能力を上げたい」という話はあまり聞かない。今回は重要なのに、軽視されがちな「能力」について考えてみたい。
能力といってもたくさんあるのだが、大きく分けると、仕事で必ず成果を出す人が持っている能力は三つに集約されるのではないかと思っている。