コロナ後遺症写真はイメージです Photo:PIXTA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期以降に長期間続くさまざまな症状、いわゆる「long COVID」に慢性炎症が関与しており、炎症を抑制する治療介入が予後を改善する可能性が報告された。米フロリダ大学のArch Mainous氏らの研究によるもので、詳細は「Frontiers in Medicine」に5月12日掲載された。

 Mainous氏らの研究グループは昨年12月に、「重症COVID-19から回復後1年以内の死亡リスクは2.5倍であり、非高齢者に限ると3倍以上に上る」という趣旨の論文を、同じく「Frontiers in Medicine」に発表している。しかし、その時の研究では、「COVID-19から回復後に、なぜそこまで死亡リスクが高くなるのか」という原因は検討していなかった。今回発表された研究は、その答の探索を目的として行われた。

 2020年1月1日~2021年12月31日のCOVID-19入院患者1,207人を、退院後1年間追跡。入院中の炎症マーカーであるC反応性タンパク質(CRP)の値や、退院時に抗炎症治療として経口ステロイド薬が処方されていたか否かと、予後との関連を検討した。