働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、本書の内容を一部公開します。

試験2か月前になったら、新しい問題集を買ってはいけない!Photo: Adobe Stock

「ほしい・ほしい」症候群に注意!

 試験2か月前くらいから多くの受験生が陥る病があります。

 それは「ほしい・ほしい症候群」です。

 これ以降の時期は「不安」との闘いです。人は不安になると、参考書や問題集を買い足して不安を埋めたくなります。

 私もこの心理状態を経験したことがあり、実際、あれこれ買ったこともあります。しかし皆さんは、今お持ちの参考書を完璧にしてください。この時期から買い足した参考書は、試験日までにマスターできません。

 さて、突然ですが「ところてん」をご存じでしょうか?

 一部の人を除いて、普通の人は記憶容量に限界があります。手持ちの問題集の知識が全部入ろうとしているところに、違う問題集を新たに入れようとすると、古い記憶がところてんのように押し出されてしまう可能性があります。

 問題集や参考書は、ある程度の慣れが必要です。あなたは今持っている参考書やテキストを使った学習にいい意味で慣れています。

 ですから、今から初見の書物を購入すると、レイアウトやテイストが異なることから、まずやりにくさを感じるでしょう。これは非常に効率が悪いことです。

このレベルまで問題をやり切る

 試験前2か月を切る頃の時期にやるべきことは、今持っている問題集や参考書を完璧にすることです。中でも、その試験の得点源といわれている分野は完璧にしてください。この「完璧」というのは、単に問題を解けるという意味ではありません。解けるのは当たり前です。

・問題を解くプロセス
・過去問の周辺知識

 この2点をおさえて初めて完璧といえます。

買っていいのは「これ」だけ!

 不安になってあれこれ手を出し始めると、すべて手薄になります。お金もかかります。試験まで2か月を切ってから買っていいのは、予想模試だけです。

 どうしても問題集を買いたいという人は、買った後も今持っている問題集は継続して勉強(復習)してください。

 重要なのは、「やってきたことを忘れないこと」です。新しいものに学習の比重が傾くと、せっかく今まで積み重ねてきたものが崩れますので十分ご注意ください。
(本原稿は、棚田健大郎著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を編集・抜粋したものです)