今年は全国各地で史上最速の梅雨明けを記録し、早くも夏本番の暑さが続いている。夏は気温が高く汗をよくかくため、「痩せやすい」と思いがちだが、実は夏こそ「太りやすい季節」でもある。運動不足や偏った食生活によって基礎代謝が低下しやすく、気をつけないとすぐに「夏太り」してしまうからだ。
そこで参考になるのが、70代で20代の頃の体重をキープし続ける「カリスマ医師」の江部康二氏の著書『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』だ。本書は、江部氏が提唱する、糖質制限と1日2食を組み合わせた「食べトレ」の方法を解説し、「医学的に正しい」体重の落とし方を明かした1冊。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、外食時に糖質制限をするコツをご紹介する。(構成/根本隼)
和食店で糖質制限するコツ
外食で糖質制限をするコツを紹介します。今回は、ランチでお世話になることが多い定食店です。
ビジネス街などに多い和食店では、ご飯だけでなく、おかずにも糖質が多く含まれがちです。ご飯に合うように、砂糖やみりんといった糖質をたくさん使った甘辛い味つけが多く、特に煮物、照り焼きなどは糖質が多めです。
注文するときに「糖質制限中なので」と説明して、ご飯を断るか、半分にしましょう。近頃は糖質制限が市民権を得てきましたから、お店側も納得してくれるはずです。
和食店では丼ご飯が多く、1人前で「糖質100g前後」も含みます。もし食べるなら、少なくとも丼ご飯は3分の1に減らしてもらいましょう。食物繊維が多い「玄米」や「五穀米」を選べるなら、少しだけマシです。
焼き魚や刺し身、竜田揚げや生姜焼きがオススメ
魚系なら、焼き魚定食、刺し身定食が、低糖質でおすすめです。甘辛い味噌煮、照り焼き、蒲焼き、西京焼きは糖質が多めなので避けます。
肉系では豚肉の生姜焼き、肉豆腐、鶏肉の竜田揚げ、しゃぶしゃぶなどの定食が低糖質でおすすめです。豚肉の生姜焼きは、調味料に砂糖、みりん、片栗粉を使っていますが、いずれも少量なので大丈夫です。肉じゃが、筑前煮、すき焼きは、糖質が多めなので控えましょう。
いずれもご飯をパスしたり半分にしたりした分のカロリーを補うため、冷や奴、納豆、温泉卵、おひたしといった小鉢を追加するといいです。刺し身のように主菜のカロリーが低すぎる場合も、肉豆腐や鶏肉の竜田揚げなど、もう一品追加してきちんとカロリーを補いましょう。
糖質制限のために洋食で避けたいメニューは?
次は、洋食店のケースです。定食には、ご飯かパンがセットされていますが、和食と同じように「糖質制限中なので」と注文時に断って、パスしたり半分にしたりしましょう。
主菜には牛肉、豚肉、鶏肉などのステーキ、グリルを選ぶのがおすすめです。ハンバーグは、つなぎにパン粉などのでんぷん素材が使われていることが多く、1人前あたり「糖質15g」ほどが含まれています。つなぎなしで、お肉100%のハンバーグなら糖質はほぼゼロなのでOKです。
避けたいのは、小麦粉やパン粉などの衣の厚い揚げ物です(前述の竜田揚げは片栗粉だけをつけて揚げるので、食べすぎなければ大丈夫です)。
とくにジャガイモを揚げたコロッケ、小麦粉を使ったホワイトソースを揚げたカニクリームコロッケは糖質過多です。揚げ物で糖質が少なめなのは、メンチカツ、ビーフカツレツ、唐揚げ、エビフライなどです。
サラダや唐揚げを追加して栄養やカロリーを補う
これらの主菜のつけ合わせになることも多いフライドポテト、マッシュポテトは、イモ類ででんぷんが多いのでパスします。つけ合わせが事前にわかっていたら、これも注文時に「糖質制限中なので」と断っておきましょう。
つけ合わせをパスした分、野菜サラダを追加オーダーして野菜不足に陥らないようにします。鶏肉のグリルのように主菜のカロリーが低すぎるときは、唐揚げ、エビフライなどをもう1品追加しましょう。
この他、小麦粉でとろみをつけるクリームシチュー、ビーフシチュー、グラタン、ドリアなどは、糖質が多いので控えるようにしてください。もちろんカレーライス、オムライス、ハヤシライスといったご飯もの、スパゲティなどの麺類はNGです。
(本稿は、『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』より一部を抜粋・編集したものです)