「静かで控えめ」は賢者の戦略──。そう説くのは、台湾出身、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャンだ。同氏による世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』(ジル・チャン著、神崎朗子訳)は、聞く力、気配り、謙虚、冷静、観察眼など、内向的な人が持つ特有の能力の秘密を解き明かしている。騒がしい世の中で静かな人がその潜在能力を最大限に発揮する方法とは? 本稿では、本書より内容の一部を特別に公開する。
「なんとなくSNSを見る」のをやめる
ジョージタウン大学准教授のカル・ニューポートは、ソーシャルメディアを使ったことがないどころか、誰もがソーシャルメディアの利用をやめるべきだと考えている。
その理由として、彼はこう述べている。
「ソーシャルメディア上で生まれるものは、あまりにも単純で、市場価値がまったくないといえる。もっと深みと意義と価値のある創造活動や研究に長い時間を費やせば、インスタグラムなどやっていなくても、あなたの存在は知られるようになる」
ベス・ビューローは著書『内向型起業家』(未邦訳)において「ソーシャルメディアにはメリットもあるが、本質的には時間とエネルギーを浪費するものだ」と指摘している。
また、コンサルタントのジム・コリンズは『ビジョナリーカンパニー2』でこう述べている。「技術は業績の勢いの促進剤になるが、革新をつくり出すものではない」
SNSにかまけてばかりいると、本来の仕事に注力できなくなってしまうのだ。それだけは絶対に避けたいところだ。
SNSは万能ではなく、面と向かってのふれあいの代わりにはならない。
また、SNSはアカウントの管理に多大な時間とエネルギーがかかる。
SNSの使用が仕事と大きく関わっておらず、あなたの努力を的確かつ効果的に伝える手段として役立っていないなら、それはあなたの進歩をさまたげるおもちゃでしかない。
ビューローは、ソーシャルメディアにお金や時間やエネルギーを費やすのであれば、より効果的に利用するために、「あらかじめ自分の利用目的を明確にしておく」ことを勧めている。
(本原稿は、ジル・チャン著『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』からの抜粋です)