韓国・尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の初代駐日大使に内定した尹徳敏(ユン・ドクミン)氏は、知日派として知られる国際政治学者だ。尹錫悦政権では日韓関係の改善が期待されるが、中でも大きな課題である慰安婦問題と徴用工問題について、尹徳敏氏が語ったこととは……。(ビジネスライター 羽田真代)
韓国・尹錫悦政権の駐日大使に内定している尹徳敏氏は“知日派”と言われる人物だ。就任前であるが、彼の発言がにわかに物議を醸している。尹徳敏氏とはどんな人物なのか、彼の経歴を踏まえつつ、問題の発言について見ていきたいと思う。
専門は政治学。米国で修士号、日本で博士号を取得
まずは、彼の経歴についてざっくりと紹介しよう。尹徳敏氏は1959年12月生まれの62歳、ソウル出身だ。ソウル市内にある徐羅伐(ソラボル)高校、韓国外国語大学政治外交学科を卒業。その後は、米国のウィスコンシン大学で学んで政治学修士号を、慶応義塾大学で法学博士号を取得した。彼が“知日派”と言われる理由がこれだ。日本語も堪能だといわれている。
彼は、外交安保研究院安保統一研究部で教授を歴任し、国立外交院が開設された後も教授職として再任された。2013年5月から2017年7月まで、朴槿恵(パク・クネ)政権下で第2代国立外交院長を務めた経験もある。
国立外交院長退任後は、母校である韓国外国語大学LD(Language&Diplomacyの略。言語と外交、国際外交について学習する学科)学部の碩座教授(せきざ、正式に採用された教授ではなく、寄付金などで研究活動をするよう大学が指定した教授)として在任している。
尹錫烈氏の大統領選挙キャンプ政策諮問団で活動し、外交政策樹立に関与した。4月下旬に日本に派遣された「韓日政策協議代表団」の7人のメンバーのうちの1人でもある。