医薬経済ONLINE5月15日号では、「『中川おろし』の芽は育つか枯れるか」と書いたが、蓋を開けてみれば「大きく育つ」結果となった。
日本医師会の中川俊男会長は5月23日、都内で記者会見を開き、次期日医会長選挙(6月25日)に「出馬しないことを決断した」と表明した。日医の政治団体「日本医師連盟」は、組織内候補の自民党・自見英子氏(元厚労大臣政務官)の選挙を7月に控える。
5月に入り、中川氏は再選出馬の「決意を固めた」と全国の代議員に文書を送りつつ、13日には都内に選挙対策事務所も設置していた。しかし、一転して不出馬を決断。中川氏は日医会長の座を1期2年、道半ばで退くことになる。
中川氏は不出馬の理由について、こう語った。
「私が出れば激しい選挙戦になることは必至。日医全体の分断を回避し、組織として夏の参院選に向かえるなら本望との結論に至った」
中川氏は、参院選を前に、選挙による日医全体の分断を回避するための不出馬であることを強調した。対抗馬として、名乗りを上げたのは、松本吉郎常任理事だ。