ポカリも新薬も扱う「大塚ホールディングス」、冴えない株価を証券アナリストが分析Photo:123RF
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 世間一般には大塚ブランドといえば、ポカリスエットやカロリーメイト、ボンカレーが親しまれている。医薬品業界における大塚ブランドは、持続性抗精神病薬「エビリファイメンテナ」を筆頭に、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」、抗がん剤「ロンサーフ」のグローバル4製品が知られている。

 大塚ホールディングスは2008年7月に株式公開に向けてホールディングス体制へ移行し、10年12月に上場を果たした。公開価格は2100円、初値は2170円であった。ホールディングス傘下には大塚製薬、大塚化学、大塚食品、大鵬薬品工業、大塚製薬工場、などの子会社が連なる。21年度は売上収益1兆4983億円、営業利益1545億円、事業利益1571億円、当期利益1255億円である。

 業界最大手の武田薬品の同年度のコア売上収益3兆4205億円、コア営業利益9552億円、営業利益4608億円、当期利益2301億円に比べると規模では見劣りするが、業態は特筆すべきものである。

 医療関連事業(治療薬、臨床栄養製品、診断薬、医療機器)、ニュートラシューティカルズという造語を冠にしたNC関連事業(機能性飲料、機能性食品、健粧品、OTC・医薬部外品)、消費関連事業(飲料、食品、酒類)などを手掛けている。もちろん主力事業は医療関連だが、NC関連ももうひとつの柱として同社は重視している。