コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はセブン&アイ・ホールディングスやローソンなどの「コンビニ/スーパーマーケット」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
セブン&アイ・ホールディングス
前年同期比7割超の大幅増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下のコンビニ/スーパーマーケット業界4社。対象期間は21年12月~22年3月の直近四半期(セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、イオンは21年12月~22年2月期、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは22年1~3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・セブン&アイ・ホールディングス
増収率:74.5%(四半期の営業収益2兆6003億円)
・ローソン
増収率:4.3%(四半期の営業総収入1759億円)
・イオン
増収率:2.4%(四半期の営業収益2兆2654億円)
・パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドン・キホーテなど)
増収率:9.0%(四半期の売上高4528億円)
セブン&アイ・ホールディングスは前年同期の実績を7割超上回る大幅増収となった。この要因は何だったのか。
次ページでは、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、セブン&アイ・ホールディングスの増収要因について詳しく解説する。