歯科検診,動脈硬化写真はイメージです Photo:PIXTA

 歯が痛いなどの症状の有無にかかわらず定期的に歯科を受診している人は、動脈硬化があまり進行していないというデータが報告された。東北大学大学院歯学研究科加齢歯科学分野の小宮山貴将氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Periodontal Research」に4月6日掲載された。

 口の中の健康状態と動脈硬化性疾患リスクとの関連を示した研究報告は少なくない。しかし、定期的な歯科受診と動脈硬化との関連の有無は明らかでない。小宮山氏らは、岩手県花巻市大迫町で行われている地域住民対象疫学研究「大迫研究」のデータを用いてこの点を検討した。

 大迫研究は1986年にスタートした循環器疾患に関する長期前向きコホート研究。今回の検討では、55歳以上の大迫研究参加者のうち、歯科関連指標と頸動脈エコー検査の結果がそろっている602人(平均年齢66.0±7.3歳、男性37.7%)を対象とする横断的解析を行った。なお、頸動脈エコー検査で内膜中膜複合体肥厚が1.1mm以上、またはプラークが認められた場合に、「アテローム性動脈硬化の所見あり」と定義した。