およそ10年ぶりの利上げに踏み切ろうとする欧州中央銀行(ECB)の計画が、南欧で壁にぶつかっている。とりわけイタリアでは、ユーロ圏が不均衡にどこまで耐えられるか試そうとする投資家が激しい売りを浴びせており、借り入れコストが跳ね上がっている。ECBは9日の理事会で、7月に資産買い入れを終了するとともに、記録的な水準に跳ね上がったインフレの退治に向けて一連の利上げを実施する意向を表明。これを受けて南欧諸国の国債が激しく売り込まれている。ECBは利上げを進めようとする米連邦準備制度理事会(FRB)の後を追う構えだが、借り入れコストの急上昇に加え、ウクライナでの戦争や中国のロックダウン(都市封鎖)による影響が強力な逆風となっている。
試されるユーロ圏の不均衡、利上げで南欧に危機も
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