検察官のレベッカ・マッコイ氏が地元アーカンソー州中部で最も凶悪な犯罪だと考えていたのは、トラクターや芝刈り機の窃盗だった。2020年3月、彼女が向かった現場のトレーラーでは、72歳の男性が野球のバットで撲殺されていた。ホワイト郡では約2年ぶりの殺人事件だった。だが、同年12月までに、その数はさらに11件増えた。サウスカロライナ州の湿地帯にあるマリオン郡では、ブライアン・ウォレス保安官とその部下が2021年に9件の殺人事件の捜査に当たった。このうち、処刑のようなやり方で銃殺された80歳の退職教師は、保安官も個人的に知る人物だったという。保安官が20年余り前にこの小さな部署に配属されて以来、年間の殺人事件の被害者数としては過去最多を記録した。