汚染物質を大量に排出するミズーリ州の老朽化した石炭発電所は、年内に閉鎖されるはずだった。だが、地元の送電会社が停電のリスクを低減するためには同発電所からの電力を必要としており、さらに数年は稼働を続ける可能性が高まっている。設立46年のラッシュ・アイランド発電所(公益会社アメレン所有)の閉鎖先送りは、公益、送電会社の幹部らが直面する難しい決断を浮き彫りにしている。背景には、米国の多くの地域で電力不足が危ぶまれていることがある。中西部の送電網を運営するミッドコンティネント・インディペンデント・システム・オペレーター(MISO)はこのほど、今秋予定されていたラッシュ・アイランド発電所の閉鎖計画の差し止めに動いた。同社は今年に入り、夏季に需要に見合うだけの電力供給が確保できない恐れがあるとして、計画停電の可能性を警告していた。