私は、民主党がドナルド・トランプ前米大統領に対して、しばしば真実でないことが後に判明する説を持ち出して対応するやり方に失望している民主党員の1人だ。トランプ氏は昨年1月6日の連邦議会襲撃事件をめぐり、下院で2度にわたり弾劾訴追されたが、これは党派色の強い動きだったため、弾劾成立には至らなかった。事件に関する下院公聴会は、トランプ氏の行動を慎重に調べる機会だったが、こうした検証は行われなかった。事件を調査した下院特別委員会のベニー・トンプソン委員長(民主党)とリズ・チェイニー共和党下院議員による9日の冒頭陳述は、事実調査の前置きというより、検察側の最終的な意見表明に近いものだった。チェイニー氏は、トランプ氏が支持者を扇動したとされる声明を読み上げたが、トランプ氏が支持者に「帰れ」と伝えたことを省いた。