欧州の産業界はここ数十年にわたり、工場の操業を継続するため、安価なロシア産石油・ガスに依存してきた。ところが、ロシアのウクライナ侵攻で産業用エネルギー価格が高騰。世界の市場における欧州勢の競争力を脅かしている。ロシアが突然エネルギー供給を遮断し、稼働停止に追い込まれるリスクもくすぶっており、域内の各工場は代替のエネルギー調達先確保を迫られている。化学薬品、肥料、鉄鋼など欧州のエネ大量消費型産業はここ8カ月、多大な圧力に直面している。2月のウクライナ侵攻開始前から、すでにロシアとの緊張が高まっていたためだ。欧州の工場は米国や中東などエネ価格が安い地域との競争にさらされ、足元では閉鎖の動きも出ている。欧州の天然ガス価格は米国の3倍近い水準だ。
欧州で広がる工場閉鎖、ロシア産エネ依存があだ
有料会員限定
あなたにおすすめ