【パリ】欧州の産業界はここ数十年にわたり、工場の操業を継続するため、安価なロシア産石油・ガスに依存してきた。  ところが、ロシアのウクライナ侵攻で産業用エネルギー価格が高騰。世界の市場における欧州勢の競争力を脅かしている。ロシアが突然エネルギー供給を遮断し、稼働停止に追い込まれるリスクもくすぶっており、域内の各工場は代替のエネルギー調達先確保を迫られている。  化学薬品、肥料、鉄鋼など欧州のエネ大量消費型産業はここ8カ月、多大な圧力に直面している。2月のウクライナ侵攻開始前から、すでにロシアとの緊張が高まっていたためだ。