13日の世界金融市場では「弱気相場」が主題となったが、日本の円を最大の負け組に含めることを忘れないでほしい。円相場は週明けに一時1ドル=135円台に下落し、1998年以来の安値を付けた。この下落には明らかな歯止めがないため、さらなる下値リスクに注意したい。
分別のある年齢の者なら、円相場が125円を割り込んだことが懸念材料と指摘されていた2カ月前のことを思い出せるはずだ。日銀の黒田東彦総裁は、日本の基準で見ても金融政策ではハト派だが、円安が日本経済にプラスではなくマイナスの影響を与え始める可能性があるのはこの水準だと警告していた。
しかし黒田氏はそれ以降、円相場の下限とされるこの水準を守るための対策を何も行っておらず、他の誰もそうしていない。同氏は13日、急激な円安は「望ましくない」と認めたが、日銀はマイナス金利政策と10年国債利回りの上限0.25%を維持している。インフレ率は現在2.5%と、日本の基準からすると高い水準にある。円安による輸入価格の上昇、特にエネルギー価格の上昇が主な理由だ。