三井不動産の江戸英雄と
ファナックの稲葉清右衛門

三井不動産元社長の江戸英雄三井不動産元社長の江戸英雄 Photo:JIJI

 茨城県南西部の田園地帯にある人口4万2000人の下妻市。下妻第一高校は、県内2番目にできた旧制中学を前身とする伝統校だ。22年春には付属中学が開校、6年制一貫教育校になった。

 知名度が高い2人の大物経営者が、この学校を巣立っている。

 昭和時代に三井不動産のトップを務めた江戸英雄が、旧制下妻中学―旧制水戸高校―東京帝大法学部卒という経歴だ。同社は戦後、屈指のデベロッパー(都市開発者)となり、日本最初の超高層ビルである霞が関ビルディングの建設や、京葉コンビナートの造成、東京ディズニーランドの開設などに力を注いだ。江戸はその総指揮官だった。

 江戸の采配で、グループで地位の低かった三井不動産を「三井御三家」の一角に押し上げた。また後年、ピアニストになった長女の江戸京子(桐朋女子高校音楽科卒)が在校生だった縁で、桐朋学園の発展にも尽力した。