私はこの動画を見た瞬間、「これだ!」と思いました。なぜならその記憶法は、私がそれまで実践してきた「覚える」部分にフォーカスしたものではなく、覚えた後の「忘れない」という部分にフォーカスしていたからです。

一度覚えたら絶対忘れない「大量記憶法」

 立川談笑さんの記憶法は「忘れる前に思い出す」ことで、「忘れる」という部分を徹底的にケアしていくやり方です。これを計画的に実施すれば、何事も長期的に忘れない状態を維持することができます。

 私がこのやり方に希望を感じた一番の理由は、誰にでもできるという点です。

 この記憶法のポイントは2つ。「思い出す」ことと、思い出す周期を「計画表で管理する」ことです。難しいテクニックは一切必要ありません。

 このやり方を試験勉強に応用できれば、覚えた知識を忘れないよう維持したまま、新たな知識もどんどん覚えていけるのではないかと思いました。忘れる一歩手前で確実に思い出すために、思い出しのスケジュールを表にして管理するようにしました。下図を見てください。大量記憶表のサンプルです。

 大量記憶表の使い方を説明します。縦の列には、資格試験名や勉強項目を記入します。基本的には、過去問題集を数ページごとに小分けして、勉強する分野(テーマ)を記入していきます。

 横軸について説明します。横軸は思い出す間隔を表しています。初日のスタート地点を0とし、半日後が0.5、翌日が1(1日後という意味)になります。初日だけは、記憶に定着させるために同じ部分を2回やるため0.5としています。翌日からは1日ごとに復習し、徐々に2日後、3日後と復習する間隔を広げていきます。

 毎日コツコツ、1日も休まずに勉強する。誰にでもできることですが、でも、実際に続けられる人はごくわずか。継続こそ才能だと思います。
(本原稿は、棚田健大郎著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を編集・抜粋したものです)