筆者は最近、生活の中で数えずにはいられない。子どもたちと過ごす時間や遅くまで仕事をした夜を数えている。スマートフォンでソーシャルメディアに費やした時間を管理できるようにもしている。これ以上ない春日和だったある日、パソコンから離れて走りに出た。一番上の子どもがもうすぐ通うことになる小学校を通過し、子どもたちと手をつないで出てくる母親や父親を見ていてこう思った。「私は自分の時間を正しく使っているだろうか」言うまでもなく、時間は常に動いている。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が起き、時間がいかに限りあるものであるかを私たちは思い知らされた。「計算すると、本当に嫌になる。大切なことをしているのかと」。金融情報プラットフォーム、センティオで調査部門責任者を務めるニック・メイジングさん(43)はこう話す。