仮想通貨企業の破綻、投資家には「悪夢」の展開Photo:Michael M. Santiago/gettyimages

 足元の暗号資産(仮想通貨)市場の混乱は、仲介業者を経由して取引を行うリスクについて、投資家に手痛い教訓を提供している。

 仮想通貨の急落を受けて、レンディング(貸出業)サービスを手掛けるセルシウス・ネットワークは顧客資産の凍結に追い込まれた。目下、事業再編を視野に入れた選択肢を模索している。

 だが、米連邦破産法第11条(民事再生法に相当)下での再編となれば、仮想通貨の投資家は未踏の領域に足を踏み入れることになる。

 破産法について研究するジョージタウン大学のアダム・レビティン教授(法学)は「訴訟に発展し、遅延が生じるであろうことは確実に言える」と述べる。

 仮想通貨の取引所と貸出業者は個人投資家に市場へのアクセスを提供する。しかし、顧客がこれらのプラットフォームに預けた仮想通貨は、破産法の下では顧客の所有物とはみなされない可能性がある、と規制当局や法律専門家は指摘している。